2026年10月2日金曜日

法人税を上げろとか消費税を減税するとか原発反対というから工場がでていって貧乏になったんですか?

 

法人税を上げろとか消費税を減税するとか原発反対というから工場がでていって貧乏になったんですか?

短く言うと、「全部が少しずつ原因」です。一つだけが原因ではなく、あなたが挙げた3つは全部、工場の立地判断に直結しています。

矢印で見るとこうなります

「法人税を上げろ」
 ↓
 企業の手取り利益が減る → 株主への配当も設備投資も減る
 ↓ 海外は法人税25%(アルゼンチンRIGI)、21%(米国)、19%(英国)
 → なら税金が安い国に本社や工場を移そう
 = 世界標準では「法人税を下げる競争」をしています

「消費税を減税しろ」
 ↓
 消費税は工場の立地には直接関係ない(輸出企業は還付されるので)
 ↓ でも減税すると → 国の借金が増える → 将来の法人税・所得税増税への不安が増す
 → 企業は「30年安定」を重視するので、財政が不安定な国には工場を建てない
 = 消費税自体より「財源をどうするか」が問題

「原発反対」
 ↓
 原発が止まる → 火力発電(LNG・石炭)の燃料を輸入
 ↓ 日本はLNG輸入世界2位、燃料代で年間10兆円が海外に流出
 ↓ 電気代が上がる → 工場の電気代は米国の2〜3倍、韓国の1.5倍
 → アルミ、化学、半導体など電気を食う工場は日本では採算が合わない
 = 電気代は工場の最大のコストの一つ

じゃあ、なぜ貧乏になったのか?

工場が出ていった理由を、企業側から見た「日本のコスト」に置き換えると:

1. 法人税:高いと逃げるのは事実
トヨタがアルゼンチンで「法人税25%に下げてくれるから2120億円投資する」と言ったのが象徴的です。日本は約29.7%で、さらに事業税などが乗ります。上げれば上げるほど、海外に行くインセンティブになります。

2. 原発:電気代に直結
円安で燃料が高くなった今、原発が動いている関西(関電は原発再稼働で電気代が安い)と、止まっている地域で電気代に月数万円の差が出ています。工場は1%の電気代差で数億円変わるので、電気代の高い国からは出ていきます。

3. 消費税:工場流出とは直接関係なし
消費税を下げても工場は戻りません。逆に消費税は「景気に左右されず安定して入る税金」なので、多くの国は法人税を下げて消費税を上げる、という方向に動いています(法人税を下げて工場を呼び、足りない分を消費税で補う)。

結論:

法人税増税・原発ゼロを同時にやると → 電気代も税金も高い国になる → 工場は「30年保証してくれる国」へ移る → 雇用が減る → 税収が減る → さらに増税が必要になる

という悪循環に入りやすい、というのは経済学ではほぼ定説です。

だから世界では「法人税は下げ、電気は安く安定させ、足りない福祉財源は広く薄い消費税で」という組み合わせが、工場を呼び戻すための定石になっています。日本はその逆をやりがちなので、円安でも工場が帰ってこない、という現象が起きています。

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