いい観察ですね。逆に言うと、アメリカのCMはなぜ俳優とコメディアンばかりなのか、という話でもあります。
日本とアメリカ、両方で広告代理店にいた人の話を総合すると、理由は4つあります。
1. 日本は「頑張る人」が一番好感度が取りやすい
日本でCMに求められるのは「商品の説明」より**「企業イメージの向上」**です。
- アスリート = 努力・根性・チームワーク・謙虚・礼儀正しい
- 日本企業が一番伝えたいのが、まさにそれ
大谷翔平がポカリでも三菱UFJでもセイコーでも全部ハマるのは、彼が「努力して成功したのに偉そうにしない」という日本企業の理想の社員像だからです。
アメリカでは「頑張る人」より「面白い人」「成功して金持ちな人」の方が好感度が取れます。だからコメディアンやラッパーや起業家がCMに出る。
2. スキャンダルのリスクが真逆
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日本:アスリートは最も安全
俳優や芸人は不倫・薬物・失言で一発でCMがお蔵入りになります。違約金10億円とか。でもアスリートはドーピング以外でスキャンダルがほぼ無い。練習しかしてないから。企業にとっては保険が安いタレントなんです。 -
アメリカ:アスリートは最も危険
NFLやNBA選手はDV、銃、薬物、政治的発言で炎上するリスクが高い。しかもアメリカのスポーツ選手は平気で政治的発言をします。企業は「政治色を出したくない」ので避ける。逆に俳優はプロなので発言をコントロールできます。
3. 代理店の構造の違い
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日本:電通・博報堂が選手を「囲って」いる
日本の代理店はJOC(オリンピック委員会)や野球機構とズブズブで、オリンピック選手の肖像権をまとめて管理しています。だから企業が「スポーツ選手使いたい」と言うと、代理店がすぐリストを持ってくる。楽なんです。 -
アメリカ:リーグが選手を囲っている
NFLやNBAの選手をCMに使うと、リーグへの使用料がべらぼうに高い。ナイキやゲータレードみたいなスポーツブランド以外は、わざわざ高い金を払ってまで使うメリットがない。同じお金ならブラッド・ピットを使った方が安い。
4. 「みんなが知ってる」の範囲が違う
日本は国土が狭いので、大谷翔平を知らない人は0%です。イチローも八村塁も、老若男女知ってます。
アメリカは広すぎて、野球好き以外は大谷を知らない、バスケ好き以外はカリーを知らない。国民全員が知ってるのはハリウッド俳優だけ。だから全国区のCMでは俳優の方が効率がいいんです。
一言でまとめると
日本:アスリート = 安全で好感度が高い「努力の象徴」
アメリカ:アスリート = 高くて危険で政治的な「一部の人のヒーロー」
だから日本ではポカリのCMで高校生が走り、アメリカではポカリ(ゲータレード)のCMでマイケル・ジョーダンが「Be Like Mike」と歌ってた、という違いが生まれます。両方スポーツなんですが、使い方が全然違うんですよ。
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