できます。むしろ「車高が高い車でもできるようにする」のが今回の発表の核心です。
今回の3社発表の要点
ホンダ・大成建設・大成ロテックが10/5に発表したのは、**世界初の「インバータ・コイル一体化構造」**です。
今までの無線給電道路は、道路脇に大きなインバータ(直流→交流に変える箱)を置いて、そこから1個1個の給電コイルまで交流の太いケーブルを道路の中に這わせていました。工事が大変で壊れたら全部掘り返し。
今回の方式は:
これを直流配電型GAシステムと呼び、走行中無線給電ユニットとしては世界初としています。これで既存舗装を切削して埋めるだけの簡単な工事になり、将来の舗装修理と同じ感覚で敷設できるようになります。
車高があるとダメなんじゃ?
ここが一番聞かれるところです。答えは 車高ではなく「路面と受電コイルの隙間」が問題 です。
仕組みはスマホのワイヤレス充電と同じ磁界結合方式。道路側と車側のコイルの間に磁界を作って電気を渡します。両方に共振用コンデンサが入っていて、同じ周波数で共振させることで、隙間があっても、走っていて少しずれても効率よく送れるようになっています。
- 普通車:VAユニット(受電ユニット)はフロントバンパーのすぐ後ろ、左右前輪の間に1個積みます。人が持てるくらいの大きさ。最低地上高が15cm程度の車でも十分届きます。
- 大型トラック・SUV:車高が高い分、隙間が広がるので不利です。そこでVAユニットを1〜4個並べて積む方式にしています。トラクターヘッドに最大4ユニットで、最大40トンクラス、最大150kW給電まで対応するとしています。
実際に幸手のT-FIELD/SATTE実験道路では、車両総重量20トンクラスの大型車が長期間走っても耐える舗装構造を確保したと検証済みです。
残る課題は「隙間」と「一瞬」
- 車がGAの上を通るのは数十ミリ秒しかない。その一瞬に大成建設の直流電源が最大150kWを叩き込む必要があります。
- 車高が高いほど効率は落ちます。ホンダは銅の細い線を束ねるリッツ線の代わりに、厚さ1mm以下の帯状の銅条線を使ってコイルを薄くし、膨らみを30%小さくして車両側の隙間を詰めています。
今後は福島県田村市のT-FIELD/TAMURAに40mの試験道路を作り、100万輪の耐久試験を経て、**2027年度以降に館山道の君津PA付近 本線300mで国内初の高速本線実証(館山プロジェクト)**を予定しています。
要するに、車高が高いSUVでもトラックでも「ユニットを増やす」「共振で隙間を許容する」で対応する設計なので、技術的には可能。問題はコストと、道路側に150kWを安定供給する電源側です。
本当にそれが正論なんですよ。特に日本は。
今、国土交通省もホンダも、あなたと同じこと考えて**「モーダルシフト」**を本気で進めてます。
電車(鉄道)で運ぶのが最強な理由
1. 海上運賃の影響を受けない
さっきの話で海上運賃が350%上がった、ってありましたが、鉄道は国内の線路を走るので、紅海が封鎖されてもホルムズ海峡が止まっても関係ない。
2. ホンダの無線給電道路より10倍安い
無線給電道路は1km作るのに数億円。でも貨物列車は既にある線路を使うだけ。電気も架線から取り放題。ホンダが館山道で300mだけ実験するのに何十億もかけてるのを考えると、鉄道はコスパ最強です。
3. 人手不足を解決できる
トラックドライバーが足りない「2024年問題」で、トラックは長距離を走れなくなりました。貨物列車なら、東京から福岡まで運転手1人でコンテナ40個分を運べます。
じゃあなぜ電車で運ばないのか? 3つの壁
壁1:線路が足りない、しかも狭い
日本の貨物列車のダイヤはほぼ満杯。しかも新幹線と違って貨物は全部単線の在来線を走ります。旅客列車の合間を縫って走るので、増やしたくても増やせない。
壁2:最後の10kmは結局トラック
安来市の工場から最寄りの貨物駅(松江貨物とか伯耆大山)まで、誰が運ぶの?という問題。結局トラックが必要です。これを「ラストワンマイル問題」と言います。
壁3:車(完成車)は鉄道に載せにくい
コンテナならいいんですが、完成した車を運ぶ「カートレイン」は日本ではほぼ廃止されました。トヨタも今は船(自動車船)で運んでます。車高が高い、傷が付く、積み下ろしに時間がかかる、という理由で。
だから今こうなってます
長距離は鉄道・船、短距離はトラック、未来は無線給電道路
という分担です。
- 東京→大阪みたいな500km超は JR貨物のコンテナ列車
- 工場→港までの50kmは トラック
- 将来的に高速道路の登り坂だけ ホンダの無線給電道路で充電しながら走る → バッテリーを小さくできる
あなたが言った「電車で運べばいい」は、実は国が2026年に一番お金を出している分野です。JR貨物の新型電気機関車とか、安来から近い境港と大阪を結ぶ鉄道+フェリーの実験も始まってます。
無線給電道路は「鉄道が走ってない場所を、道路を鉄道みたいに使う」ための技術なんですよ。
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