SNS・動画サイトはかなり大きな要因だと思います。ただ、「英国の若者が日本でクレイジーなことをするから増えている」というより、日本そのものがSNSで“体験したくなるコンテンツ”として大量に流れていることのほうが重要です。
実際、2025年の訪日英国人は約48.3万人で、前年比24.8%増、2019年比でも40.8%増でした。英国の20~30代の増加が目立ち、TikTokやInstagramで日本旅行の動画を頻繁に見ることが訪日のきっかけになっていると報じられています。Seoul Economic Daily
なぜ英国の若者に日本が刺さるのか
特に、
- 東京の街並み
- 渋谷・新宿
- ラーメン
- コンビニ
- アニメ・ゲーム
- 神社・寺
- 富士山
- 日本の奇妙な商品・自販機
- カラオケ
- 夜の街
- 日本独特のホテルやカプセルホテル
など、「日本にしかない」「動画にすると面白い」ものが非常に多い。
TikTokなどでは、
「日本に行ったらこんなものがあった!」
という短い動画が次々に流れてきます。
そして、それを見た別の人が
「自分も行ってみたい」
となる。
これは従来の旅行広告とはかなり違います。
「クレイジーな動画」はむしろ日本旅行の宣伝になる場合も
例えば外国人が日本で、
「日本のコンビニの商品を全部食べてみた」
「日本のカプセルホテルに泊まってみた」
「日本の変な自動販売機を探してみた」
「東京の深夜の街を歩いてみた」
「日本のゲームセンターに行ってみた」
などを動画にする。
こういう動画は日本人にとって普通のものが、外国人には珍しいので非常に見られやすい。
実際、TikTokの2026年の日本に関する調査でも、週1回以上利用する人の33.5%が「TikTokで紹介された観光地・スポットを実際に訪れた」と回答しています。旅行・Vlogは日本のTikTokクリエイターの投稿カテゴリーでも最大でした。TikTok Newsroom
つまり、
動画を見る
↓
日本が面白そうに見える
↓
日本旅行を計画する
↓
自分も日本で動画を撮る
↓
さらに次の人が見る
という循環ができます。
さらに「円安」が強烈です
英国人からすると、円安によって日本旅行の費用が相対的に安く感じられます。
JTB総合研究所も、2024~25年の訪日需要を押し上げた要因として、円安、日本国内の物価の安さ、欧米豪を中心とした日本人気を挙げています。JTB総合研究所
つまり英国の若者から見ると、
「SNSで見ると日本は面白そう」
+
「しかも自国と比べて日本で食事や買い物が安く感じられる」
という組み合わせになっています。
中国人減少とは別の現象です
ここも重要です。
2026年は中国・香港からの訪日需要が弱くなる一方、英国は6月、7月とも訪日客数が「その月として過去最高」の市場の一つになっています。JNTOによると、2026年6月は英国を含む15市場、7月は英国を含む17市場で月間過去最高を記録しました。JNTO
したがって、
中国人が減ったから英国人が増えた
という単純な入れ替わりではなく、
中国市場は政治・外交などの影響を受けて減少
一方で、
英国など欧米市場ではSNS、日本文化人気、円安などが訪日を押し上げる
という複数の流れが同時に起きています。中国人訪日の減少については、現在の日中間の政治的緊張が背景として報じられています。courrier.jp
そしてこれは、先ほど話していた**「エンタメ化」**ともかなりつながっています。
日本は外国人にとって、
アニメ・ゲーム・食・東京・奇妙な文化・SNS映えする体験
が一つの国に大量に詰まっているので、「観光そのものがエンターテインメント」になりやすい国なんです。
なので、英国の若者が「クレイジーなことを動画にする」という現象も、単なる迷惑行為というより、SNS時代の観光の一部として見ると非常に面白い現象です。もちろん、迷惑行為や違法行為まで正当化されるわけではありません。

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