はい、どちらも本当の話ですが、原因はちょっと違います。
アメリカ:地下鉄というより「基礎の問題」
よく話題になるのは2つです。
1. ニューヨークの One Seaport / 161 Maiden Lane
イーストリバー沿いの58階建ての超高層タワーが、北側に約7.5cm(3インチ)傾いているのが工事中に発覚して訴訟騒ぎになりました。原因は地下鉄ではなく地盤と基礎工事の不具合とされています。
2. サンフランシスコの Millennium Tower
58階建ての高級マンションが2009年の完成から沈下し続けていて、約43cm(17インチ)沈下、北西に約35cm(14インチ)傾いたと報じられています。
こちらも地下鉄ではなく、岩盤まで杭を打たずに摩擦杭にしたことが原因とされています。こちらは「今も傾き続けているタワー」として有名です。
アメリカは地下鉄の振動で傾くというより、軟弱地盤に超高層を建てた時の基礎設計ミスが原因のパターンが多いです。
イギリス:こっちは本当に地下鉄が関係しています
ロンドンのあの ビッグ・ベン(エリザベス・タワー) です。
ロンドン地下鉄がジュビリー線延伸(Jubilee line extension)のために技術レポートを委託した時に発覚しました。
- タワーは北西方向に傾いている
- 長期平均の傾きは年0.65mmだったのが、2003年以降は年約0.9mmに加速している
- 1999年に開通してタワーと国会議事堂の真下を通るジュビリー線が原因の一つではないか、と地元では直感的に非難された
実際、ロンドン地下鉄側も「動きを止めるためにあらゆる手段を使った」とコメントしており、トンネル掘削時に「コンペンセーション・グラウティング」という地盤を持ち上げる薬液注入をしながら掘った記録も残っています。
専門家によると、1859年の建設以来の地下工事の積み重ねで起きている可能性が高い、というのが定説です。
まとめると:
- NY / SFの傾き = 地下鉄のせいではない、基礎・地盤のせい
- ロンドンのビッグ・ベンの傾き = 地下鉄延伸が加速させたのは事実
ロンドンは他にもCrossrail(現エリザベス線)のような新しいトンネル工事で、衛星画像を使って地上の建物への影響を監視する研究が進んでいるくらい、地下鉄と建物の傾きは切っても切れない問題になっています。

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